35。│ばんそうこう

2008年04月07日

Book Review:野上照代『母べえ』

現在公開中映画『母べえ』の原作本。

※特にこれから映画を観られる方は、ネタバレ注意ですよ〜!

『母べえ』野上照代


昭和15年。
日中戦争が激化する最中、
反戦思想を持つ文学者の父が、治安維持法で検挙される。

物語は、投獄された父と
「母べえ」「初べえ」「照べえ」ら
残された家族との間で交わされた書簡をベースに
家族の生活や当時の世相を、時にユーモラスに描いていく。

私は映画は観ていないので、これはあくまで、書評。

この作品、23年前の『ヒューマンドキュメンタリー受賞作』だというので
私は当然読み終わるまで「ノンフィクション作品」だと思っていた。
しかしあとがきで、「ラストはフィクションだ」と知って
かなり感情移入して読んでいた私としては
そのオチに裏切られたような、ホッとしたような・・・・ちょっと複雑だった。

著者もあとがきで
「なるべく当選するように、やや事実を変えて、ドラマティックな最後にした」と実に率直に語っているが
それで「父は獄中死しました。」、か・・・・。
うむ・・・・なんだろ、このスッキリしない読後感は。

そうなると
この作品のどこまでがフィクションで、どこまでがノンフィクションなのだか
分からなくなっていく。
いやもちろん、フィクションだからいいとか悪いとかいう問題じゃないが
さも「ノンフィクション」の形態をとっている作品で
しかも戦時ものという多大なノンフィクション性を孕んだ作品だからこそ
もう少し読者の生理を汲んで欲しかった、というのが正直なところ。

作品の中で訴えられているテーマが痛く感じ取れる秀作だからこそ
なんだか、ど〜も気持ちが悪いんだな・・・。

う〜〜ん、映画のほうは・・・・
この作品にヘンな先入観が宿ってしまったので
原作読む前に観たかったかな・・・。・・・・・てか、
あたしゃヨシナガさんの演技もニガテなので、もういっか・・・・( ̄▽ ̄;)

kappa_ginga at 19:34│Comments(0)│Book Review 

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