2008年06月03日
Book Review:秋元康『象の背中』
ガンで余命半年と宣告された働き盛りの48歳の主人公が
その死を迎えるまでどう生きたか、を描く長編小説。

映画化もされた話題作とあって、興味深く読み始めたが
まぁ〜これほど「独り大ブーイング」しながら読んだ本も
なかなかありませんわ・・・。
主人公は、聡明で家庭的な妻と、真っ直ぐに育った子供達という
絵に描いたような「美しい家庭」を築いているが
その裏で、出るわ出るわ、女の影が!!
かの古のトレンディー俳優が
「不倫は文化」という名言(?)を残したが
この手の話にまで「不倫話」を絡めるという手法で
ストーリーに階層を持たせようとする安直さに
もう一気に幻滅してしまった。
主人公は「死」を目前にして
「逢いたい人に逢っておきたい」などと言って
初恋の女性や、過去につき合った女性に逢い (おまけに肉体関係まで結び!)
しまいには、「隠しておきたくない」と
現在の不倫相手を、妻と息子に対面させるという傍若無人ぶり。
それを素直に受け入れる妻も息子もなんだか一体・・・・
もうとにかく、いちいち共感できないことばかり!
この作品には、余命を宣告されたガン患者、そしてその家族の「心の葛藤」、
延命治療やホスピスについてなど
「死」をとりまくあらゆる問題が織り込まれていて
それはそれで読み応えがあるのだが
主人公の「やりたい放題ぶり」に
どうしても感情移入ができなくなってしまうのだ。
最期のホスピスで
(これもまた絵に描いたような、海が目の前の美しいホスピス)
これまた美しく、家族揃って最期の日々を過ごし
死ぬ間際に妻に宛てた手紙には
『もし、生まれ変わっても、俺は君にプロポーズする。』などと
家族を裏切りぬいた男がいけしゃあしゃあと言ってのける。
そんな手紙を書きながらも、一方では
不倫相手の女性に、自分の葬儀に列席してもらうことに執着し
(その為に実兄に根回しをする徹底ぶり)
女性に遺骨を分骨までさせようという男がよくもまあ「プロポーズする」とは!!
は〜何言っちゃってんだかっっ!!
その最後の妻への手紙の部分を読みながら
「バ〜〜〜カじゃないの!!!」と思わず絶叫してしまったぞ、あたしゃ!
「家族を欺く」という罪の残酷さ・・・
それがどれほどのものか分かっちゃいない浅はかさに加えて
自分の欲求のままに、
家族と女との間を小器用に、したたかに、ずる賢く生き抜いた
そんな男の言葉は、たとえ「死」を目の前にしていようが何ひとつ響いてこない。
とにかくこの作品は全体的に、「死」というものに向かって
あまりにも予定調和に、都合よく、そして実に美しく、描きすぎてしまっている。
私もこの歳になるまで
何人かの友人や知人、近親者の死を目の当たりにしてきたが
現実の「死」は決して美しいものではない。
そもそも「不倫もの」の小説自体に拒否反応を示してしまう私としては
その手の下世話な不倫話と「死」とを混在させて
ストーリーを美化させようというこの作法に
嫌気がさしてしょうがなかった。
ってか
あえての「ドロドロ話」にしたかったのか「お涙ちょうだい」にしたかったのか
主旨が謎。
・・・・・なの、だ が ・・・
そこまで嫌々ながらも
思わず最後まで読破させてしまう「秋元康の文章の巧さ」はさすがだ、
ということだけ、最後につけ加えておく。
(隣でギャーギャー言いながら読書する私に
「じゃあ読むのやめなさいよ!」と夫・・・・。
そりゃごもっとも。(;^з^)ゞ)
その死を迎えるまでどう生きたか、を描く長編小説。

映画化もされた話題作とあって、興味深く読み始めたが
まぁ〜これほど「独り大ブーイング」しながら読んだ本も
なかなかありませんわ・・・。
主人公は、聡明で家庭的な妻と、真っ直ぐに育った子供達という
絵に描いたような「美しい家庭」を築いているが
その裏で、出るわ出るわ、女の影が!!
かの古のトレンディー俳優が
「不倫は文化」という名言(?)を残したが
この手の話にまで「不倫話」を絡めるという手法で
ストーリーに階層を持たせようとする安直さに
もう一気に幻滅してしまった。
主人公は「死」を目前にして
「逢いたい人に逢っておきたい」などと言って
初恋の女性や、過去につき合った女性に逢い (おまけに肉体関係まで結び!)
しまいには、「隠しておきたくない」と
現在の不倫相手を、妻と息子に対面させるという傍若無人ぶり。
それを素直に受け入れる妻も息子もなんだか一体・・・・
もうとにかく、いちいち共感できないことばかり!
この作品には、余命を宣告されたガン患者、そしてその家族の「心の葛藤」、
延命治療やホスピスについてなど
「死」をとりまくあらゆる問題が織り込まれていて
それはそれで読み応えがあるのだが
主人公の「やりたい放題ぶり」に
どうしても感情移入ができなくなってしまうのだ。
最期のホスピスで
(これもまた絵に描いたような、海が目の前の美しいホスピス)
これまた美しく、家族揃って最期の日々を過ごし
死ぬ間際に妻に宛てた手紙には
『もし、生まれ変わっても、俺は君にプロポーズする。』などと
家族を裏切りぬいた男がいけしゃあしゃあと言ってのける。
そんな手紙を書きながらも、一方では
不倫相手の女性に、自分の葬儀に列席してもらうことに執着し
(その為に実兄に根回しをする徹底ぶり)
女性に遺骨を分骨までさせようという男がよくもまあ「プロポーズする」とは!!
は〜何言っちゃってんだかっっ!!
その最後の妻への手紙の部分を読みながら
「バ〜〜〜カじゃないの!!!」と思わず絶叫してしまったぞ、あたしゃ!
「家族を欺く」という罪の残酷さ・・・
それがどれほどのものか分かっちゃいない浅はかさに加えて
自分の欲求のままに、
家族と女との間を小器用に、したたかに、ずる賢く生き抜いた
そんな男の言葉は、たとえ「死」を目の前にしていようが何ひとつ響いてこない。
とにかくこの作品は全体的に、「死」というものに向かって
あまりにも予定調和に、都合よく、そして実に美しく、描きすぎてしまっている。
私もこの歳になるまで
何人かの友人や知人、近親者の死を目の当たりにしてきたが
現実の「死」は決して美しいものではない。
そもそも「不倫もの」の小説自体に拒否反応を示してしまう私としては
その手の下世話な不倫話と「死」とを混在させて
ストーリーを美化させようというこの作法に
嫌気がさしてしょうがなかった。
ってか
あえての「ドロドロ話」にしたかったのか「お涙ちょうだい」にしたかったのか
主旨が謎。
・・・・・なの、だ が ・・・
そこまで嫌々ながらも
思わず最後まで読破させてしまう「秋元康の文章の巧さ」はさすがだ、
ということだけ、最後につけ加えておく。
(隣でギャーギャー言いながら読書する私に
「じゃあ読むのやめなさいよ!」と夫・・・・。
そりゃごもっとも。(;^з^)ゞ)
kappa_ginga at 18:10│Comments(0)│Book Review